平成18年度 税制改正のポイント(その1)
平成18年度税制改正
T.土地・住宅税制
1.登録免許税
2.不動産取得税
3.住宅取得等資金に係る相続時精算課税の特例(贈与税)
U.安全・安心の確保
1.既存住宅の耐震改修をした場合の所得税の特別控除制度
2.既存住宅を耐震改修した場合の固定資産税の減額措置
3.事業用建築物に係る耐震改修促進税制(所得税・法人税)
土地・住宅税制では、登録免許税や不動産取得税関係の特例措置の延長、相続時精算課税制度の特例の延長等がおもな改正内容です。
登録免許税は、法務局で不動産の登記をするときにかかる国税で、原則として、その不動産の固定資産税評価額に税率(登記の種類により異なります)を乗じて計算します。
改正内容は次のとおりです。
@土地に関する次の登記の税率については、平成20年3月31日までの措置として引き続き軽減されます。
(イ)土地の売買による所有権の移転登記
1,000分の10(本則1,000分の20)
(ロ)所有権の信託の登記
1,000分の2(本則1,000分の4)
A平成15年度改正において講じられた不動産登記に係る税率の特例(本則税率を半分にする措置)は、所要の経過措置を講じた上、適用期限(平成18年3月31日)の到来をもって廃止されました。
<具体例>
(イ)所有権の保存登記
1,000分の2 → 1,000分の4(改正後)
(ロ)家屋の売買による所有権の移転登記
1,000分の10 → 1,000分の20(改正後)
※注)住宅用家屋については、一定の要件の下で、平成19年3月31日までの軽減措置
(所有権の保存登記:1,000分の1.5、所有権の移転登記:1,000分の3、
抵当権の設定登記:1,000分の1)があります。
|
●事例(計算例) オフィスビルを購入した場合の所有権の移転登記 ・土地の固定資産税評価額 8,000万円 ・家屋の固定資産税評価額 3,000万円 (改正後の登録免許税)
|
B特定目的会社が資産流動化計画に基づき特定不動産を取得した場合等の税率の軽減措置
軽減税率を引き上げた上、摘要期限が平成20年3月31日まで2年間延長されます。
(イ)所有権の移転登記
1,000分の6 → 1,000分の8
(ロ)質権または抵当権の移転登記
1,000分の1 → 1,000分の1.5
C認定民間都市再生事業計画に基づき土地等を取得した場合等の所有権の移転登記等に対する税率の軽減措置
摘要対象を認定事業者とするとともに、軽減税率を引き上げた上、適用期限が平成19年3月31日まで1年間延長されます。
(イ)土地の所有権の移転登記
1,000分の7 → 1,000分の8
(ロ)建物の所有権の保存登記(国土交通大臣の認定日から3年以内に建築した場合)
1,000分の1.5 → 1,000分の3
Dマンション建替事業の施行者等が受ける権利変換手続開始の登記等に対する免税措置
適用期限が平成20年3月31日まで2年間延長されます。
不動産取得税は、不動産を取得したときに、その取得者に対して、その不動産の所在地の都道府県が課税する地方税です(相続による取得は非課税)。税額は、原則として、固定資産税評価額(宅地は、その2分の1の額)に税率を乗じて計算します。住宅や住宅用地については、一定の要件の下で、軽減措置があります。
改正内容は次のとおりです。
@標準税率の特例措置(本則4%→特例3%)
(イ)土地および住宅については、特例措置(3%)が平成21年3月31日まで3年間延長されます。
(ロ)住宅以外の家屋は、特例措置(3%)が廃止されますが、経過措置として、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの2年間は3.5%とされます。
|
土地・住宅 ⇒ 3%(3年間) 家屋(非住宅)⇒ 3.5%(2年間) |
A宅地および宅地比準土地の課税標準を評価額の2分の1とする特例措置
適用期限が平成21年3月31日まで延長されます。
|
●事例(計算例) オフィスビルを購入した場合の不動産取得税 ・土地の固定資産税評価額 8,000万円 ・家屋の固定資産税評価額 3,000万円 (改正後の不動産取得税)
|
|||||||||||||||||
B住宅用土地の減額措置
この制度は、土地取得後2年以内(特例:平成18年3月31日までの取得は3年以内)に特例適用住宅を新築した場合に、200uを限度として住宅の床面積の2倍までの税額を減額する措置です。
今回の改正では、期間要件を3年に緩和する特例措置の適用期限が平成20年3月31日まで2年間延長されます。
C新築住宅を宅地建物取引業者等が取得したものとみなす日の特例措置
住宅新築の日から1年(本則6月)を経過した日に緩和する特例措置の適用期限が平成20年3月31日まで2年間延長されます。
Dマンション建替事業に係る特例措置
マンション建替事業の施行に伴いやむを得ない事情により転出する者が取得する土地に係る課税標準の特例措置(価格の5分の1を控除する措置)の適用期限が平成20年3月31日まで2年間延長されます。
E埋立地等を取得した場合の非課税
土地改良法の規定による埋立地または干拓地の取得が行われた場合の不動産取得税の非課税の適用期限が平成20年3月31日まで2年間延長されます。
相続時精算課税制度とは、その年の1月1日に65歳以上である親から1月1日に20歳以上である子への贈与が行われた場合に、暦年単位の贈与税制度に代えて2,500万円までの非課税枠を選択することができる制度です。
さらに、贈与財産が住宅取得資金の場合には、一定の要件の下で、非課税枠を1,000万円上乗せして3,500万円にするとともに、親の年齢が65歳未満でも認めることとされています。
ただし、一度この制度を選択した場合には、その後の変更は認められず、その贈与財産は相続時に相続財産と合算され、相続税額が計算されることを承知しておく必要があります。
改正により、この制度の適用期限が平成19年12月31日まで2年間延長されます。
|
●相続時精算課税制度のケーススタディ ・親Aから子Bへ平成18年に住宅取得資金3,500万円贈与があり、平成19年に現金500万円贈与があり、相続時精算課税制度を選択した場合
・さらに平成22年に親Aから子B(相続人がBだけである)へ、遺産総額5,000万円の相続が発生した場合の相続税
|
耐震が確保された良質な住宅や建築物ストックの形成を促進するため、次の特例措置が創設されます。
改正内容は次のとおりです。
居住者が、平成18年4月1日から平成20年12月31日までの間に、一定の区域内<注1>において、その者の居住用家屋(昭和56年5月31日以前に建築されたその者の居住用家屋として一定のもの)の耐震改修<注2>をした場合には、その者のその年分の所得税の額から、次の金額を控除することができます<注3>。
| 住宅耐震改修に要した費用の額×10%=税額控除額(20万円を限度) |
<注1>一定の区域とは、住宅耐震改修のための一定の事業を定めた以下の計画の区域をいいます。
@地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法に規定する地域住宅計画
A建築物の耐震改修の促進に関する法律に規定する耐震改修促進計画
B住宅改修促進計画(地方公共団体が地震に対する安全を確保するための事業を定めた計画)
<注2>耐震改修とは、建築基準法に基づく現行の耐震基準(昭和56年6月1日施工)に適合させるための耐震改修(住宅耐震改修)をいいます。
<注3>この税額控除は、確定申告書に、次の書類等の添付が必要となります。
@税額控除に関する明細書
A地方公共団体の長の上記<注1>の一定の区域内の居住用家屋である旨を記載した書類
B住宅耐震改修をした家屋である旨および耐震改修の費用の額を記載した書類等
昭和57年1月1日以前から所在する住宅について、平成18年1月1日から平成27年12月31日までの間に、建築基準法に基づく現行の耐震基準(昭和56年6月1日施行)に適合させるよう一定の改修工事(一戸当たり工事費30万円以上のもの)を施した場合において、その旨を市町村に申告したものに限り、その住宅(一戸当たり120u相当分まで)に係る固定資産税額が2分の1減額されます。
|
平成18〜21年に改修した場合・・・翌年度から3年度分減額 平成22〜24年に改修した場合・・・翌年度から2年度分減額 平成25〜27年に改修した場合・・・翌年度から1年度分減額 |
<注>減額を受けるには、耐震基準に適合した工事であることにつき、地方公共団体、建築士、確認住宅性能評価機構又は指定確認検査機関が発行した証明書を添付して、改修後3ヶ月以内に市町村に申告しなければなりません。
建築物の耐震改修の促進に関する法律の改正に伴い、青色申告書を提出する事業者が平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に、特定建築物(事業所、百貨店、ホテル、賃貸住宅等の多数の者が利用する一定規模以上の建築物)について、同法に規定する認定計画に基づく耐震改修工事を行う場合(その特定建築物につき耐震改修に係る所管行政庁の指示を受けていない場合に限ります)には、その工事に伴って取得等をされる建物の部分について、10%の特別償却ができる措置が講じられます。